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第43話 あなたを忘れても、嫌だったことは身体が覚えている

last update publish date: 2026-10-27 20:54:56

第43話 あなたを忘れても、嫌だったことは身体が覚えている

王都からの正式な使節が北方砦へ到着したのは、アルベルトへ返事を送ってから四日後だった。

今回の目的は、婚姻無効を巡る法的照会について、リゼット本人の意思を直接確認することだった。

書面だけでは北方公爵家に書かされた可能性がある。

そんな主張を後から持ち出されるくらいなら、自分の口で話したい。

それを提案したのはリゼット自身だった。

だから使節が来ると知らされた時も、それほど動揺するとは思っていなかった。

少なくとも、頭では。

「使者の代表は、ハインツ・デルヴァ伯爵だ」

会議室へ向かう前、ヴァルドからそう聞かされた瞬間、リゼットの足は自分でも分かるほど不自然に止まった。

「……ハインツ様」

名前は覚えている。

王太子付き近衛隊

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